茨木市の矢木鍼灸院。

甲状腺機能障害

甲状腺ホルモンは酸素消費やカロリー消費などの生体酸化反応、糖・タンパク質・脂質代謝、循環系、造血系などの重要な生体機能のほとんどに関与しています。このため甲状腺ホルモンの過不足は種々の病態を起こします。
１．甲状腺機能亢進
甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、代謝亢進、自律神経刺激などによる種々の臓器に影響のある病態です。甲状腺機能亢進の80％はバセドウ病が原因で、甲状腺が過剰に刺激される自己免疫疾患であると考えられています。交感神経亢進ため、動悸、手指の振戦、発汗過多、体重減少、精神不安定などの全身的な代謝亢進症状が主体となります。バセドウ病では眼球突出、甲状腺の腫脹もみられます。
甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンの分泌低下、もしくは甲状腺ホルモンに対する感受の低下により、末梢組織で甲状腺ホルモン作用が不足して種々の症状をきたす病態です。甲状腺機能低下のために硬い浮腫をみとめるものを粘液水腫といい、先天性の甲状腺機能低下症で身体ならびに精神の発達が遅延した病態をクレチン病と呼びます。甲状腺機能低下症には、甲状腺自体に異常がある原発性と下垂体もしくは視床下部に病変のある中枢性、そして末梢組織での甲状腺ホルモンレセプター異常によるホルモン不応性の3種類があります。このうち、甲状腺に対する自己免疫が原因となって甲状腺組織が破壊される慢性甲状腺炎(橋本病)の頻度がもっとも高いです。甲状腺ホルモンは全身の組織に作用するので多彩な症状が出現します。またそのためにほかの疾患と間違えられやすく、たとえば活動力低下からうつ病や認知症に間違えられたりします。橋本病は原因は不明で女性の10人に1人という高い頻度でいられ30〜50代の中年女性での発症が多いです。
〇鍼灸治療方針：症状の改善と甲状腺の機能回復、免疫力強化を目的に鍼灸治療を施します。