茨木市の矢木鍼灸院。

排尿障害

排尿状態の異常には排尿回数の異常、排尿困難、尿失禁などがあります。排尿困難とは、尿意があるにもかかわらず、円滑に排尿できない状態をいいます。膀胱の収縮力が低下したり、尿道の抵抗が増加すると、尿が出るまで時間がかり、尿の勢いが弱く、尿線も細くなり排尿時間が延長するなど排尿困難が生じます。また膀胱内圧が尿道内圧を越えると尿失禁が生じます。排尿困難の原因には膀胱以下の下部尿路疾患による場合と神経反射経路の障害による場合とがあります。慢性の前立腺炎や膀胱炎、神経因性膀胱などは程度によりとくに鍼灸治療の対象となります。
１．慢性前立腺炎
前立腺の慢性炎症、細菌感染によるものと、非細菌性のものがあり、非細菌性のものは難治性が多いです。症状としては、多くは初めから慢性の経路をとります。排尿困難、頻尿、排尿痛、排尿後不快感、会陰部の疼痛、不快感、重圧感など、頭痛、倦怠感などの神経症様の症状を訴えることが多いです。
〇鍼灸治療方針：炎症の鎮静をはかり、症状の改善と泌尿器系の回復を目的に鍼灸治療を施します。
２．神経因性膀胱
排尿機能に関与する神経系が障害された結果生じる排尿障害、脳血管障害などの脳の障害、頚部脊椎症などの脊椎・脊髄の障害・糖尿病・骨盤内手術後(子宮癌や直腸癌)などの末梢神経の障害により生じます。脳血管障害などでは頻尿、夜間尿(夜間睡眠中に覚醒して排尿する)、強い尿意と同時に起こる尿失禁などが主症状となります。骨盤内手術によるものでは、排尿困難が生じます。また尿意を欠いたり、残尿や尿閉が生じることがあります。残尿量が多いときは、一回の排尿量が少ないとめ、頻尿が生じます。
〇鍼灸治療方針：自律神経系に影響を与え、排尿機能および全身の調整をはかります。主に下腹部、腰仙部の圧痛、硬結、筋緊張、などの反応のある経穴、反応点に鍼灸治療を施します。